江戸時代から庶民にしたしまれている甘酒ですが、その栄養価の高さが化学的に証明されはじめて 今ではたくさんの種類の甘酒飲料が、店頭に並ぶようになってきました。しかしながら飲料用として量産化されている甘酒は残念ながら多くの栄養素が失われてしまっています。
是非甘酒をご自分で作って甘酒の良さを、まるごと摂って頂きたいと思い 栄養価と美味しさを100%活かした甘酒の作り方を
順を追ってご紹介したいと思います。

①甘酒は砂糖の代わりになる。

甘酒が甘いのは、砂糖などの甘味料が添加されているからと勘違いされている方もいますがこの甘さの主役はだれなのでしょう?
その答えは、 【ブドウ糖】
そう点滴でも使われているブドウ糖なんです。
それゆえに『飲む点滴』とも云われています。

ではこの【ブドウ糖】はもともと材料に入っていたかというと、そうではないのです。
下に示すようにご飯の【デンプン】が分解されて【ブドウ糖】になるんです。

無題この分解を担っているのが米麹に含まれている【アミラーゼ】というデンプン分解酵素です。
つまり米麹に含まれている【アミラーゼ】がご飯のデンプンを分解して甘味の元になる【ブドウ糖】を作っているのです。
いかに効率よく多く【ブドウ糖】を作り出すかが、甘酒を美味しくする”こつ”なんです。

②甘酒を作る最適の保温温度は何度なのか?

甘酒が甘く美味しくなる理由はお解りいただけたと思います。
さてご自宅で甘酒を作るにあたって重要なポイントは『保温温度』ですがこの『保温温度』が少しややこしいんです。
というのも

○腐敗の原因となる雑菌が繁殖せずまた甘酒が酸っぱくなる原因の乳酸菌の増殖をおさえながら
甘くて美味しい甘酒を作る保温の温度帯

○栄養価が高くて酵素が活性化している甘酒を作る保温の温度帯
という2点をクリアする保温の温度帯を探さなければならないからです。
甘酒作り適温の図酵素が活性化している温度帯は、30℃~60℃と云われています。60℃を超えてしまうと米麹が含んでいる三大消化酵素アミラーゼ(デンプン分解酵素)、プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、リパーゼ(脂肪分解酵素)が失活してしまい甘酒の栄養価が半減してしまいます。
また、保温温度を30℃~40℃にしてしまうと、雑菌や味を酸っぱくしてしまう乳酸菌の増殖につながります。
以上のことから美味しくて栄養価も高い甘酒を作るには60℃前後で保温することがベストミックスなのです。

②甘酒の作り方と配合

さあいよいよご自宅で美味しくて栄養価のある甘酒を作っていきます。
用意していただく材料は 米麹 ご飯 お水 この三つのみ単純です。
しかしそれぞれ重要なポイントがありますのでご説明していきます。
まず米麹から
米麹は今ではどこのスーパーでも売られていますので比較的手に入りやすくなっていますが、これだけは押さえてください。
前項でご説明したように米麹の酵素量、特にアミラーゼの含有量が出来上がりの甘酒の甘さ、美味しさを大きく左右します。
当然米麹に含まれるアミラーゼの量が多い方がいいのですが、お薦めは乾燥こうじではなく生麹(冷蔵又は冷凍されている)です。

また生麹でも味噌用麹甘酒用麹とでは、製造の際使用する麹菌の種類や発酵温度が違うので麹に含まれるアミラーゼの量は違っています。
ですので購入が可能ならば甘酒用生麹をお薦めします。
次にご飯です
ご飯で気をつけなければいけないのが温度です。これも前項でご説明したように60℃以上のご飯 特に炊きたてのご飯はすぐには使用しないでください。
もうお分かりですよね。
そう酵素が失活してしまうからです。アミラーゼは60℃以上で壊れてしまうのでデンプンを分解することができなくなってしまいます。炊飯器での保温も80℃くらいあるのでいっそ冷えたものでもいいですし冷凍したご飯でも使えます。
ご飯の温度に気をつけて最後はお水です。
お水は当然水道水そのままではいけません。湯冷ましか若しくは天然水をお使いください。
そして見落としがちなのが天然水の成分です。
昔から酒処には名水がつきものですが、杜氏が一番気にしたのが水質です。麹菌がもっとも嫌がるミネラル分があるんです。
なんだと思われますか?
鉄分(Fe)なんです。この鉄分が多いと出来上がった日本酒の色が悪くなってしまうんです。
同様に甘酒も出来上がった甘酒の色が濁ってしまいますので気をつけてください。

甘酒作りの配合


甘酒配合

さまざまな配合比率がありますが、安定的に甘くて美味しい甘酒を作るにはこの配合が良いと思います。
水の比率に幅がありますが出来上がりの甘酒の柔らかさに違いがでてきます。
当然水を多めに入れれば出来上がりの甘酒は水っぽいものになります。
この配合で保温温度をしっかり管理すると糖度が40度前後の甘酒ができあがります。
おおざっぱに云うと砂糖の代替として甘酒を使うには、砂糖の約倍の甘酒を使うということになります。
また、ジャムと比べると以下のように低糖度のジャムと同程度の甘さです。

糖度とは食品や果物などに含まれる糖分の量を百分率で表したもの。糖度(可溶性固形分)とは、全体に占める糖の含有度を百分率(%)で表したもので、糖用屈折計で測定したものです。一般的に甘さの目安になっており、糖度 を4段階に分け、そのうちの3段階については下表のような呼称をつけています。ジャムですと、加えた糖類の他に、果実自体がもつ果糖がありますので、あわ せた糖の量となります。例えば、糖度が約42度の「55 イチゴ」の場合、ジャム全体量の約42%が糖分ということになります。

作り方
一般的なご自宅での甘酒の作り方は、保温ポット、炊飯器、ヨーグルトメーカー、土鍋などでしょうか?
しかしながら美味しく栄養価が高い甘酒を作って食生活の一部に甘酒を取り入れていこうとお考えの方には、やはりしっかり温度管理のできる器具をお薦めいたします。
前項でご説明したように一番大事なのは保温温度です。
約60℃を8時間~10時間保つことが甘酒作りには欠かせない事です。
炊飯器の保温機能を使って作られている方が多いようですが、下の写真のように蓋を開けた状態で炊飯器を保温した場合内部の温度は約70℃まで上がってしまいますし側面や底面部分では90℃近くまで温度は上がってしまいます。
これでは甘酒を作るには温度が高すぎてしまい酵素もほぼ壊れてしまっています。
炊飯器温度ヨーグルトメーカーのなかでも60℃まで保温できるものがありますので是非そのような器具を使って甘酒を作っていただきたいです。
ここではタニカ電気製の『KAMOSICO』で甘酒をつくります。
カモシコ米麹300g
甘酒作り方 007ご飯200g
甘酒作り方 009天然水220g
甘酒作り方 010これらの材料をカモシコに入れます。
入れた後は良く混ぜて麹とご飯が均一になるようにします。この段階では水分が少なく固いですが糖化してくると柔らかくなってきます。
甘酒作り方 012温度は55℃、保温時間は8時間に設定します。
甘酒作り方 016途中で1,2度蓋を開け材料を混ぜてください。
甘酒作り方 0198時間後美味しい甘酒が完成します。
そのまま冷蔵庫で一ヶ月程は保存できますが、だんだんと味に酸味がでてきます。これは乳酸菌が生きている証拠ですが気になる方は冷凍保存してください。
シャーベット状になってそのまま食べても美味しくいただけます。
是非栄養満点の生甘酒ご自宅で作ってみてください。
IMG_1530 - コピー甘酒スムージーは砂糖なしでも自然の甘味で最高に美味しいです。

IMG_1689パイナップルとキウイに甘酒をのせて食前のデザートに消化酵素バッチリです。